一橋大学社会学部倉田良樹ゼミナールHP

活動内容

(1)概要
 ゼミは月曜日にあり、4年生のみで4限から活動しています(2009年度は火曜日4限・4年生、5限以降・3年生という形でした。2011年度は火曜日に戻る予定です)。
 活動時間は、文献にもよりますが、1回3時間前後です。
 
 やることは文献の輪読が中心で、1回のゼミにつきレポーター1人とコメンテーター1人がレジュメを作成して発表を行います。
 レポーターは課題文献を詳細に要約し、コメンテーターは課題文献に関連する文献からディスカッションのテーマになりうるものを要約して発表します。

 また、2009年度は月に1回のペースで、3年ゼミテンを2つに分けて、あるトピックについての是非を争うディベートを行いました。ディベートのトピックには、「自動車産業で日本的経営を続けることの是非」、「大学生の新卒一括採用制度を改善するべきか、抜本的に変えるべきか」などがありました。

(2)文献について
 約1ヶ月単位でテーマを設定し、毎回のゼミではそのテーマに関連する文献を輪読します。
 文献は日本語文献と英語文献のどちらかで、割合は日本語の方が多めです。
 1回のゼミにつき、日本語文献は大体1冊(ハードカバーだと半分くらい)、英語文献は40〜60ページほどが課されます。

○2009年度に輪読した文献リスト

・夏学期に購読した文献(購読した順)
No. 書名 著者 出版社 出版年
1 ものつくり敗戦:匠の呪縛が日本を衰退させる 木村英紀 日本経済新聞社 2009年
2 Reprogramming Japan; The High Tech Crisis under Communitarian Capitalism Anchordoguy, M. Cornell University Press 2005年
3 Institutions and Organizations(Chapter 3-6) Scott, W.R. Sage 2008年
4 The Duality of Technology: Rethinking the Concept of Technology in Organizations Orlikowski, W.D. Organization Science, Vol.3, no.2 1992年
5 失われた場を探して:ロストジェネレーションの社会学 メアリー・ブリントン NTT出版 2008年
6 社会的排除:参加の欠如・不確かな帰属 岩田正美 有斐閣 2008年
7 下流志向:学ばない子どもたち、働かない若者たち 内田樹 講談社 2007年


・合宿で購読した文献(購読した順)
No. 書名 著者 出版社 出版年
1 Structuration(Chapter 1-7) Parker, J. Open University Press 2000年
2 社会学の新しい方法基準(第3章) アンソニー・ギデンズ(著)、松尾・藤井・小幡(訳) 而立書房 2000年
3 20世紀社会学理論の検証(第7章、第10章) 北川・宮島(編) 有信堂高文社 1996年
4 実在的社会理論(第3章、第4章) マーガレット・アーチャー(著)、佐藤春吉(訳) 青木書店 2007年
5 ハマータウンの野郎ども ポール・ウィリス(著)、熊沢・山田(訳) ちくま学芸文庫 1985年
6 The Constitution of Society(pp.89-110) Giddenns, A. Polity Press 1985年
7 働きたいのに・・・高卒生就職難の社会構造 安田雪 勁草書房 2003年
8 若者の労働と生活世界:彼らはどんな現実を生きているか 本田由紀 大月書店 2007年


・冬学期(10月)に購読した文献(購読した順)
No. 書名 著者 出版社 出版年
1 変わる若者と職業世界 矢島・耳塚 学文社 2005年
2 日本的高卒就職システムの変容と模索 労働政策研究・研修機構 労働政策研究・研修機構 2008年
3 若年者の就業状況・キャリア・職業能力開発の現状 労働政策研究・研修機構 労働政策研究・研修機構 2009年
4 反貧困−「すべり台社会」からの脱出 湯浅誠 岩波書店 2008年


・冬学期(12月・1月)に購読した文献(購読した順)
No. 書名 著者 出版社 出版年
1 ロールズ―『正義論』とその批判者たち チャンドラン・クカサス、フィリップ・ペティット(著)、山田・嶋津(訳) 勁草書房 1996年
2 ノージック―所有・正義・最小国家 ジョナサン・ウルフ(著)、森村進・森村たまき(訳) 勁草書房 1994年
3 左派右派を超えて―ラディカルな政治の未来像(第3章〜第9章) アンソニー・ギデンズ(著)、松尾・立山(訳) 而立書房 2002年


※2009年11月は西野ゼミ・堂免ゼミとの合同勉強会の準備を行いました(3年生のみ)。
合同勉強会で使ったスライド(PDFファイル、1.4MB)


○2010年度に輪読した文献リスト

・夏学期に購読した文献(購読した順)
No. 書名 著者 出版社 出版年
1 詳説 労働契約法 荒木・菅野・山川 弘文堂 2008年
2 雇用システムの理論−社会的多様性の比較制度分析 マースデン(著)、宮本・久保(訳) NTT出版 2007年


夏学期後半(6月頃)からは卒論の制作・報告を行いました。

○2011年3月卒業のゼミテンの卒論タイトル
・『感情労働がもたらすもの:組織・顧客・労働者の視点から』
・『企業論理で読み解く現代大学新卒採用』
・『自己決定理論再考:自己決定から<コンピテンス>へ』
・『従業員の主体性:理想的な会社組織とは』
・『情報成果物を取り扱う中小企業の状況』
・『深刻化する日本のメンタルヘルス:ストレス社会で闘う労働者たち』
・『なぜ定年制はなくならないのか:日本的雇用の構造化モデルの考察』
・『なぜ最低賃金制度ではワーキングプアの問題を解決することができないのか:ワーキングプアの実態に着目して』
・『労働の意味とは何か:労働倫理の考察から』
・『日独の労働法制・労使関係から見る両国の労働時間』?